札幌市より西へ100キロ。
名峰・羊蹄山(ようていざん)の麓に広がる倶知安町は、
豊かな自然と広大な耕作地、そして湧き水が有名な美しい町。
近年はニセコエリアとして世界に名を馳せるこの場所で、
NISEKO NAYA PROJECTがスタートします。

この地を選びプロジェクトの中心に居るのは、東京でフレンチレストランを営む高澤義明氏。
“人生を変える世界のトップレストラン10”に選ばれた経験を持つ高澤氏が、
日本の良き風土・人・食材・伝統的な世界を再構築すべく、この地で新たなスタートを切ります。
―最も大事なのは「時間」だと感じる中で、
どこで誰と食べるかが、自分たちにとってかけがえのない貴重な瞬間になる。―
そう語る高澤氏の想いとともに、選ばれたニセコの地。
NISEKO NAYA PROJECT として立ち上がりました。
プロジェクト名の“NAYA”とは、納屋のこと。
ニセコ地区は北海道でも有数の豪雪地帯。
そこで数十年の間、豪雪に耐えてきた納屋を大規模改修し高澤氏の新たな店舗へ。
さらには店舗を囲むかたちで、シャレー(木造の宿泊施設)を
2棟建設しオーベルージュ(宿泊施設を備えたレストラン)とするプロジェクトです。


計画地からは、羊蹄山を一望。
池に面したロケーションを活かし、北海道の四季を味わい尽くすことのできる、特別な場所です。
納屋を提供していただいた地主様は北海道に入植してから4代続く農家の家系。
建物調査の際、延べ34坪はある納屋には4代にわたる歴史の品々がまだ置かれていました。
年代物のトラクターから、脱穀器具、鋤、鎌、ウスなど博物館さながらの器具の数々。
柱、梁は松材主体。
丸太材の梁材と、手加工の角柱。
建物中央に横たわる床梁は、長さ5間(9.1m)と迫力。
構造や断熱の改修で隠れる部分もありますが、この地に根差す納屋レストラン。
できる限り柱梁は現して、この歴史を受け継ぐデザインとしてプロジェクトは進みます。


この地で北海道の食を支える生産者と共に歩んできた納屋が
これから新たな食の世界へ、過去から未来に紡ぐストーリー。
新旧の素材を活かし、歴史のリニューアルを、景色を最大限取り込み、付加価値を生む空間へ。
納屋がこの場所とともにどのように生まれ変わり、未来に繋がるのかお伝えしていきます。