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暮らしのレポート

2020.12.19

傾斜地を生かし、山を庭のように取り込んだ片流れ屋根の家

札幌市・Kさん
リビングと庭をつなぐ広縁にはナラの無垢材を使用。奥に見えるのは薪ストーブと、それを囲む札幌軟石の壁。木・鉄・石を組み合わせた「時とともに育つ家」は、三五工務店のテーマでもある

札幌市西区の住宅街に建つKさん宅。傾斜地のため、鉄筋コンクリート造の地階の上に木造の1・2階が設けられた、3階建てのお住まいです。地階の玄関から入り、階段で1階へ上ると、和のテイストで満たされたリビングが登場。片流れの勾配天井から吊り下がる提灯の先には、大窓をいっぱいに埋め尽くす山の姿が。「自然のそばで暮らしたくて、グーグルマップの衛星写真を使い、山の際にある土地を探しました。ここに決めたのは、本当に庭のような距離感で山を楽しめそうだったからです」とKさんご夫妻。

Kさんは現在、三五工務店に現場監督として勤務しており、奥さんは住宅設計をしていた経験があるため、設計はご夫妻主導で進められました。テーマは山の景色を上手に取り入れること、そしてミニマルであること。「床面積を小さくすることで、建設費も暖房費も抑えられます。小さいのに収納に多くの面積を割くのもどうかと思い、収納は最低限としました。そのためミニマリストの本を買って、暮らしの参考にしているところです(笑)」と奥さん。

三五工務店に勤めて6年目のKさんは、「木材をはじめとした素材への強いこだわりに共感しました」と入社の理由を語ります。自邸でも構造材には道産カラマツ、フローリングには下川町産ナラの無垢材を活用。さらには薪ストーブや、それを囲む札幌軟石の壁など、木・鉄・石を組み合わせた素材使いは、三五工務店が得意とするところです。時とともに味わいを増す住空間と、四季折々の姿を楽しませてくれる自然に包まれた環境で、ご家族の暮らしも温かく、穏やかに育まれていくことでしょう。

Report by Replan
庭と地続きになっている山に登って撮影した外観全景。「冬には雪が縁側と同じ高さまで積もると美しいだろうなと想像しながら1階の床高を調整しました」と奥さま
階段を上った位置からリビングの奥にあるダイニング・キッチンまでを対角線上に見通せるレイアウト。視線が抜けて広々と感じられるとともに、空気の抜けがよくなるメリットも
畳敷きの床、提灯が吊り下げられた天井、柱を見せる真壁造りなど、「リビング」と呼ぶよりも「居間」という言葉がふさわしい和の空間は、古民家を借りて住んでいたというご夫妻の好みが反映されている。ちゃぶ台はKさんによる造作
キッチンは造作で、必要最低限の収納を追求した。食事をしながら山の眺めを楽しめるダイニングも魅力的
片流れの勾配天井にすることで、面積以上に広く感じられる開放的なリビングを実現。勾配天井によって生まれた小屋裏のような2階には、はしごでアクセスする
窓際は山を眺めるための特等席でもある2階の小屋裏は意外と広々。現在は特に定まった使用目的がないフリースペースだが、今後、子どもの成長などに合わせて役割を持たせていく予定
玄関を入って左にはトイレ、洗面台、浴室、ユーティリティといった水まわりがあり、その奥に約4帖の衣類収納室を設けて生活動線をシンプルにした。階段右の白い部分も収納スペース
段差のある土地の形状を生かすため、地階には車庫と水まわりを配置。その上に設けたLDKからは、道路側と山側に広がる多彩な景色を眺望できる
外壁には、木酢液を塗ったスギ材を使用。木酢液には防腐効果があるため、メンテナンスの手間が省けるのもポイント。光の陰影が出やすい押縁(おしぶち)張りで仕上げているのはKさんのこだわり