ヌックのおうちカフェから生まれたゆとりある暮らし

30代のMさんご夫婦は、転勤先の本州から札幌へ戻ってきたことをきっかけに家づくりを考え始めました。
おふたりともご実家が一軒家だったこともあって、ご希望だったのは当初から注文住宅。
木のぬくもりを感じる住まいにしたいと思っていたそうで、そのような家をインターネットやSNSで探している中でたどり着いたのが三五工務店でした。
「事前予約が要らない見学会が行われていたので、軽い気持ちで見に行きました」
おふたりがいろいろな会社と話した中で三五工務店に決めた理由のひとつは、最初から設計スタッフと直接話せたこと。
「私たちの希望にいちばん合っていたのが三五さんでした。設計スタッフの山口さんとの間に誰も入らないので、自分たちのこだわりがそのまま伝わって、プランに反映されるのは大きかったです」
奥さんや旦那さんが好きなテイストの家の写真などを共有し、設計スタッフがおふたりの好みを理解できたことが、理想の家づくりにつながりました。
理想の土地を見つけた発想の転換
奥さんのご実家は、山と海が見える抜群のロケーション。
その良さを知っているため、ご夫婦は自然が豊かでなおかつ街中へのアクセスも良い土地を探し始めましたが、希望に叶うものはなかなか見つかりませんでした。
そのため検索条件を変えて土地付きの中古の戸建て物件を探してみることに。
すると、山が見えて、都心部へも車で20分ほどで、お子さんが通う幼稚園や旦那さんの職場も近い家が売りに出ていました。
ご夫婦はその物件を購入し、家を建て替えることを決断。
「土地代のほかに、もともとの家の解体費用も多少かかりましたが、それでも良い条件でした」
この立地を活かすため、ご夫婦の希望でファミリークローク以外の部屋すべてに窓を設置。
それらの窓から見える山々は秋になれば紅く色づき、冬には雪に覆われて真っ白に。
「朝起きて窓のロールスクリーンを開けると山々の風景が広がるのがとても気分が良いです。実際に住んでみると思っていた以上に、自然を感じる生活の良さを感じます」
家族みんなが落ち着ける個室のようなヌック
設計スタッフはご夫婦と、将来のライフスタイルや理想の暮らし方についてじっくり話し合いながら、最適なプランを探っていきました。
「家を一度建てたら、ドアひとつとっても替えることは簡単ではないので、気になるところはなんでも山口さんと話し合っていました。そのおかげで納得のいく家になっています」と奥さん。
中でも絶対に欠かせなかったものは、こぢんまりとした空間“ヌック”。
一般的には階段下などのデッドスペースを活用することが多いですが、奥さんのご希望はそれよりも個室に近い形でした。
設計スタッフはこのご希望を受けてプライベート空間でありながら、ご家族の気配を感じるようヌックをリビング奥に配置。
アーチ型の入り口をくぐると約1畳のヌックは包み込まれる感覚を大切にするため、天井は旦那さんの頭がぶつからない程度にできるだけ低く。
庭に面した位置に窓を設け、向かい合う2つのベンチとテーブルを造作。
窓の上には、ご夫婦の世界観に合わせて設計スタッフがご提案した円盤状のライト。この照明は「満月みたいでかわいい」と奥さんのお気に入りに。
「友だちが来ると自然とヌックで過ごしているし、普段もここでランチをしたりしています。息子もいつの間にかヌックのベンチに座っておやつを食べていたり、夫が夜にここでお酒を飲んでいたりと、家族みんなが落ち着ける場所になりました。以前はカフェに行くのが好きでしたが、その代わりにヌックで過ごす方が多くなりました。」というほど、想像以上の空間になりました。
ヌック入り口のアーチは玄関横の手洗い場やヌック正面のパントリーと合わせた、設計スタッフからの提案で、ご夫婦がイメージするデザインテイストで室内に統一感をもたせています。
暮らしを楽にしてくれる家事動線
Mさんのお家ではキッチンも含め水回りを1階に集中。
玄関横の手洗い場からファミリークローゼット、ユーティリティ、浴室を一直線に配置。
ユーティリティ横のファミリークローゼットは、洗濯した服をそのまましまえる仕様になっています。
「玄関側からつながっているのも、上着をかけておけて便利。お風呂に入るときも着替えの用意など一連の作業がここで完結するので、効率が良いです」と奥さんも満足の動線になりました。
洗面台・手洗い場のタイルや鏡などは、ご夫婦の好みと建物全体の雰囲気に合わせて設計スタッフが提案したもの。
機能面だけでなく見た目もご希望に叶うものになりました。
「山口さんが私たちの好みを把握してくれていたので、自分たちで考えすぎて何が良いのか分からなくなったときにいつも相談できてとても助かりました」
キッチンについては、毎日ご飯をつくるのが楽しくなる場所にしたいと、グラフテクトのセミオーダーを採用。シンクの形やカウンターや収納の扉など、奥さんの好みでセレクトし、こちらも機能性とデザインを両立できました。
植物さえも喜ぶ吹き抜けのフリースペース
2階には寝室と2つの子ども部屋のほかに、旦那さんがいちばん希望していた約6畳のフリースペースがあります。
このスペースはリビングへの採光を考えての設計で、住宅街の周囲からの目線に考慮して1階リビングには大きな窓をつけず、その代わり上階のフリースペースに大きな窓を確保。
この窓からの日差しが吹き抜けを通してリビングをやさしく照らしてくれます。
フリースペース自体は趣味のための場所で、ここには服飾が得意な奥さんのミシンと、旦那さんの塊根植物などの植物がいっぱい。
ここに来てからどの植物もイキイキしているそうです。
「光がよく入りますし、塊根植物は湿気があると形が崩れてしまうのですが、この家は気密性が高くて湿気も防いでくれるので生育環境として理想的です」
植物の中にはお子さんが生まれたときに育て始めた記念のものもあったり、お子さんと一緒に水やりをしたりと、ご家族にとっても大事なスペースになっています。
ちなみにこのフリースペースは設計スタッフのご提案で、将来的に壁を立てて部屋にもできるよう、コンセントやパネルヒーターの位置を調整してあります。
落ち着ける木の空間
ご夫婦が三五工務店のモデルハウスへ見学に行ったときの「家に入った瞬間、木のあたたかい感じや落ち着く感じがした」という印象を設計スタッフと共有し、「帰ってきたくなる家にしたい」というのもこの家の大切なテーマのひとつになりました。
設計スタッフは、木のぬくもりを感じる空間づくりについて、見た目で木材が多いということではなく「木に包まれたときのやわらかな感覚」を意識。
玄関の正面に木のルーバーをつけたり、庇の下の部分に木を使ったりしているのはその一例であり、帰ってきて玄関ポーチに入ったときの安心感につながっています。
また、階段の手すりをアイアンだけにせず、手が触れる最上部にタモ材の笠木をつけているのも、「やわらかな感覚」を意識した提案のひとつです。
フリースペースの天井は、木の梁が出ている“天井あらわし”。
この天井は夜に明かりを点けると吹き抜け上部の窓越しに、外からもよく見えるそうで、「引っ越してきてから1年近く経ちますが、帰ってきたときに、いまだにかっこいいなと思います」とのこと。
外壁は、ご夫婦のご希望で塗り壁に。
コスト面も配慮して木やガルバリウムと組み合わせたデザインを設計スタッフが提案。
塗り壁の色にもこだわった結果、完成した外観を見たご夫婦が「これが隠れてしまうのはもったいない」と、当初予定していたカーポートを中止にするほど満足できる仕上がりになりました。
建てた後も夢が広がる家づくり
Mさんのお家は当初からお庭を造る前提での敷地内の配置とプランになっており、設計スタッフはテラスも併せてご提案していました。
玄関の横からは庇が庭側へとつながっており、この設計は、夏は日差しを防ぎ、冬は日差しが入るようにという室内への効果を意識したものであると同時に、後にできるテラスで過ごすときに役立てることも考えたもの。
そのため、庇の下にはライトが組み込んであります。
今は育児で忙しいご夫婦ですが、今後はテラスを自分たちで造っていく予定で、「ここでバーベキューをしたり、ガーデンテーブルを置いてちょっとしたカフェテラス的な感じにしたり」と、暮らしをさらに楽しくしていくことをイメージしています。
庭づくりも進む予定で、ヌックはその庭の将来像にあわせた配置で設計されています。
今後は庭木を植えて、ゆくゆくは木々に包まれた空間にするのがご夫婦の理想。
「庭には畑もつくってお野菜を育てる予定です。その日に採れた食材でご飯をつくって、外で食べたりヌックで食べたりといった贅沢な暮らしをするのが楽しみです」と奥さんの夢は広がります。
さらに、実家に置いてきたピアノを持ってきてフリースペースで弾けるようにしたい、家族で演奏してみたいなど、その他にも夢はいろいろ。
これからも思い描いていた暮らしづくりが少しずつ実現し、日々の楽しみが増えていくことでしょう。