三五工務店が挑んだ新しい暮らしの提案 －山郷プロジェクト－

家づくりだけにとどまらず、北海道の暮らしそのものを豊かにしていくことを目指す三五工務店は、2025年5月小樽市春香町にレストラン・ショップ・アート・宿泊施設が集う滞在型複合施設「北海道の暮らしが集まる山・山郷（さんごう）」をグランドオープンしました。
私たちが考える“北海道での理想の暮らし”を伝えるショールームとして、山郷は今もなお進化を続けています。

2022年フェーズ01着工

このプロジェクトの始まりは、単なる宿泊施設ではなく、宿泊型モデルハウスであり、さらに社員の保養施設としても活用できる「三つの役割を持つ建物」をつくることでした。
一般的なモデルハウスは日中の見学が中心ですが、窓の配置や照明計画の魅力は、日が落ちてからこそ実感できるもの。
そこで、1日の時間の流れとともに三五工務店の家づくりを体感してもらいたいという想いから、宿泊型モデルハウスを考案。
社員にとっても、保養施設として自社の建築を実際に体験することで、より自信をもってお客様へ提案できると考えたのがこの計画のきっかけとなりました。
また土地選びでは、札幌で働きながらも1時間以内で帰宅でき、森・山・海といった北海道の自然がすぐそばにあることを条件に、“理想の北海道の暮らし”を体現できる場所として小樽市春香町を選定。約210坪の敷地に、北海道での理想の住宅を詰め込んだ「Villa 香」、ニセコの別荘を思わせる上質な空間が特徴の「Villa 春」を建設し、2023年に宿泊施設として開業しました。

本格的な宿泊事業参入へ

北海道の暮らしを“宿泊体験を通して感じられる”場をつくることこそ、三五工務店だからできる北海道への恩返しと考え、2棟のヴィラ運営をきっかけに宿泊事業へ本格的に参入。
翌2024年には、道を挟んだ約2,000坪の広大な山の敷地に、さらなるヴィラの建設を計画。
同時に、この山を「北海道の暮らしが集まる山」として成立させるため、商業施設の構想も加えて建物配置や動線計画など全体のプランニングを自社で開始。
家づくりのノウハウと技術を注ぐ一大プロジェクトとして再始動し、2025年には東屋を含むすべての施設が竣工し、滞在型複合施設「山郷」が完成しました。
また同時期に、山郷の運営・施設管理を行う新たなグループ会社「合同会社ノースシェア」を設立。
自社スタッフが“訪れから旅立ちまで”お客様をおもてなしし、さらに地域の方々とともに毎月イベントを開催するなど、企画・運営を通して北海道の暮らしを豊かにする発信を続けています。

「北海道の暮らしが集まる山」として

個性豊かな全5棟の宿泊施設はいずれも「暮らすように、泊まる。」を共通コンセプトに、長く過ごすほど心地よさが深まる空間を目指しました。
創業から70年、北海道の“暮らしづくり”に向き合ってきた三五工務店だからこその性能・デザイン・機能性を兼ね備えた宿泊施設が実現しています。
また、いごこちのよさを追求するため、各棟にはオリジナルの造作家具や、道産木材を使用したメーカー家具を取り入れ、インテリアコーディネートにもこだわりました。

宿泊施設全5棟の特徴

施設名のうち「春-SHUN-」「香-KAORU-」は春香山から、
「和-NAGO-」「宇-SORA-」「地-SIR-」は隣接する和宇尻（わうす）山に由来します。
アイヌ語 wao-sir（ワオシリ） を語源に持つこの地名に、ヴィラそれぞれのコンセプトと地元への想いを込めています。

商業施設のご紹介

「北海道の暮らしが集まる山」として、食べる・買う・観るのすべての体験が価値となるよう、この場所にふさわしい店を迎えました。

北海道の暮らしを豊かにするライフスタイルショップ「ten to ki」

その他の店舗・施設

これからも自然とともに進化する場所として

山郷は、山を切り開いてつくった施設ではなく、もともと生えていた木々や草花など“ありのままの自然”を、可能な限り残しながら設計しています。
自然を排除して建てるのではなく、“自然の中にお邪魔する” という姿勢で各施設はつくられています。
また、三五工務店が大切にしている自然素材の経年変化は、周囲の自然とともに深い味わいを増し、年月とともに価値へと変わっていくと信じています。
これからも山郷は、時とともに愛着が育まれていく場所として進化を続けていきます。

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【登録】
2023年／山郷 Villa 春 -SHUN-、香 -KAORU-をHOKKAIDO WOOD BUILDINGに登録
2025年／山郷 Villa 和 -NAGO-、地 -SIR-、宇 -SORA-、商業棟 山郷 LARCH、SHOP 清-SEI-、東屋 景-KEI-をHOKKAIDO WOOD BUILDINGに登録

【受賞歴】
2025年／山郷が一般社団法人日本ウッドデザイン協会主催の「ウッドデザイン賞2025」受賞。
木を活かして森林・林業や地域・社会の持続性を向上させている建築・空間として、『ソーシャルデザイン部門』での受賞となりました。
2025年／第7回アジアプロパティアワード（日本）Best Luxury Villa Development（HOKKAIDO）最優秀高級ヴィラ開発賞受賞。