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暮らしのレポート

2階リビングの活用で日当たりと開放感を満喫する暮らし

2階リビングの活用で日当たりと開放感を満喫する暮らし

Hさんご夫婦が家づくりを考えるようになったきっかけは、
当時暮らしていたマンションで物が多くなりすぎて引っ越しを検討し始めたこと。
「せっかくならこの機会に一軒家にしたい」という気持ちが芽生えてきたそうです。

ハウスメーカーの展示場を見て回るようになったご夫婦。
住宅性能を判断基準にしていたものの、次第に「それで良いのだろうか?」と疑問を持つようになったそうです。
「もともと木のぬくもりを感じる家にしたいという希望もあり、そのことを大事にしたいという気持ちが強くなりました」

そのため、旦那さんのご友人の家を建てていた三五工務店のモデルハウス見学会へ足を運んだところ、
「木を使った家の雰囲気がひと目で気に入りました」とのこと。
ご夫婦にとって三五工務店の家は、道産木材をはじめとする自然素材を取り入れたデザイン性と、
高気密・高断熱などの性能の両方を満たしていました。

選択肢を広げて理想の土地を獲得

ご夫婦ともに札幌市内にお勤めで、通勤の利便性から駅近の居住をご希望だったこともあり、土地探しは難航。
札幌市内ではどれだけ探してもコストと条件が折り合わないものばかり。
しかし、対象の「駅」の選択肢を、地下鉄から札幌近郊のJRまで広げることによって、
駅まで徒歩3分でなおかつ奥さんの実家に近いという絶好の場所が見つかりました。
こうして予算内で土地が手に入り、本格的に家づくりへ。

購入したのは閑静な住宅街の中にあるものの、道路から1階の床まで階段約6段分が必要な傾斜地でした。
そのまま外階段にすると、冬の除雪の手間や凍結での転倒の危険性も考えられるため、
設計スタッフは、半分を外階段に、残り半分を玄関から1階の通路までの室内階段にするプランをご提案。
ひと冬を過ごしたご夫婦の実感は「大雪だと少ない段数でも大変なときがあるため、
室内階段にして正解でした」とのこと。
便利さだけではなく、室内のデザインとしても「他にはない家になって気に入っています」

カーテンを付けない開放的な暮らし方をご提案

家づくりについて、「こちらの要望を伝えた後は設計スタッフの蝶野さんにほとんどおまかせでした」とご夫婦。
「何百も図面を描いてきたプロの提案を尊重した方がうまくいくと確信していましたし、打ち合わせで話をしていると、家づくりが大好きな様子が蝶野さんから感じられて、任せておけば大丈夫だという安心感がありました」

ご要望の中で奥さんにとって最も重要だったのは、日当たり。
しかし住宅街の中にあるため、大きな窓をつくって日当たりを良くするだけでは、
人目が気になる居心地が悪い家になりかねません。
そこで設計スタッフは、2階リビングでなおかつ、ベランダ経由で光を入れるプランをご提案。
2階の中央に中庭のようなベランダ、その周囲にリビング・キッチンを配置することで、
ベランダから十分な日当たりを確保。
人目が気になることもなくなり、カーテンを付ける必要のない暮らしを実現しました。

「夏に暑くなりすぎないように」という理由から、階段の大きな窓にだけロールカーテンを付けましたが、
プライバシーの面だけでいうとカーテン無しでもいごこちのいい空間に。
「カーテンを閉めないため開放的で気分が良いし、雨の日でも明るいです。
日差しが入って冬でも暖かいのも助かります」と納得の住空間になりました。

ベランダには設計スタッフの「ご夫婦の趣味のアウトドアを家の中でも楽しんでほしい」という
思いも込められていました。
旦那さんからのご要望でランタンを吊るすための梁を付け、
奥さんからの「室内側に靴を置いておけるようにしたい」というご希望に合わせて
出入り口の床に札幌軟石を敷きました。
こうしてベランダの楽しみや利便性が増し、2階全体がより一層ご夫婦のライフスタイルに合った場所になりました。

「上を見ても下を見ても木」という贅沢

キッチンは当初、マンション時代に慣れていた一列型をご希望でしたが、スペースの有効利用の面から二列型に。
グラフテクトのセミオーダーキッチンを採用しながら、造作で補う形で作業スペースを確保し、
「仕様にこだわっても想定より費用を抑えられました」という最善の結果になりました。
またキッチンには、事前に様々な住宅の例を見て憧れていたという“木の下り天井”を。
いくつものパターンを検討した末に決まったルーバー状のデザインは、
黒めのシックなキッチンの中で良いアクセントになっています。

奥さんの「リビングにアクセントクロスを入れたい」というご要望については、
最終的にクロスではなくグレーの木毛セメント板を採用。
木の薄片を固めた板材で、「呼吸する素材」と言われるほど調湿性に優れており、見た目も特徴的です。

階段からリビングへ続く木毛セメント板の壁と合わせて、
階段の正面に設けられたカーテンウォール調の縦長の窓からの風景は、
奥さんにとって家の中でいちばんのお気に入り。
この窓もちょうど周囲の木々だけが見えるよう配置されており、
そのおかげで「2階に植物を置かなくてもいい」と思えるほど、緑を感じる空間になりました。

木のぬくもりを感じられるよう、リビングはカラマツのあらわし天井、床は1階も2階もタモの無垢材に。
「ログハウスほど全部木ではありませんが、上を見ても下を見ても木で嬉しい」とのこと。
三五工務店は道産木材を積極的に使用することにこだわりながらも、
使いすぎないバランスをいつも大切にしています。

1階に機能を集約してスペースを有効活用

家づくりのきっかけにもなったご要望である「収納」は1階に集中。
「持て余す部屋ができるくらいなら、その分、収納を広く確保したい」というご夫婦の考えを受けて、
ウォークインクローゼットは4畳、玄関横のシューズクロークも同じく4畳を確保しました。
階段下のデッドスペースを活かした収納も1畳程度の広さがあります。
シューズクロークには靴だけではなく、スノーボードやキャンプ道具、自転車まで収納。
当初ご夫婦はタイヤ用に外に物置を置くことも考えていましたが、
シューズクロークだけで十分になり、家の外もすっきりと。

収納は2階にも、キッチン横のパントリーの他、リビングと隣接した小上がりスペース下部にも収納があります。
下部収納は大人用の寝具もしまっておけるほどの広さで、リビング周りを片付けるのに役立っています。
「全部収納できてしまうため物を捨てられなくなってしまって…」という贅沢な悩みが出てくるほど、
ご夫婦にとって満足のゆく収納力となりました。

ちなみに1階には寝室もあります。
眠るだけの場所で良いというご要望を受け、窓を最小限、明かりを間接照明のみにすることで、
「とても落ち着く」空間になりました。
窓が少ないことで夏でも涼しく、「寝室のエアコンを使うことはほとんどありません」とのこと。
冬も温水パネルヒーターをつけていれば十分に暖かく、一年中快適。
光熱費の面でも、マンションの頃と比べても意外なほどかかっていないそうで、高気密・高断熱の成果が表れています。

帰るのが楽しみになる家

工事中、施工管理のスタッフから毎週メールで送られてくる報告や写真がご夫婦の楽しみになっており、
自宅が次第に出来上がっていく様子を見て期待感が高まっていたそうです。
それでも実際に暮らし始めると「写真だけでは分からない良さがありました」とのこと。

例えば浴室には「お風呂場からも外の雰囲気を楽しんでほしい」という設計スタッフの気遣いで、
ベランダ側に窓があります。湯船につかっているときに窓を開けると、
「ベランダを通して木の香りが漂い、温泉のようでとても気に入っています」と旦那さん。
この家での暮らしが始まってからは「とにかく毎日、帰ってくるのが楽しみになりました」

今は育児であわただしいお二人ですが、「人目を気にせず過ごせる場所ができたので、
ベランダでバーベキューをしたり、お酒を飲んだりしたい」と、今後のより豊かな暮らしに胸がふくらんでいます。