三五工務店×大雪木工 対談企画③
三五工務店×大雪木工 対談企画③
北海道の木は、いかにしてmorinosへと生まれ変わったのか。
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三五工務店が送り出したオリジナルの椅子「morinos」。
その製造を担ってくださるのは、東川町にある家具メーカー大雪木工さんです。
北海道で育った木々が、どのような想いや考え、技術を経て、椅子へと姿を変えていったのか。
企画・デザインを担った三五工務店の関根と、
大雪木工で製造管理を担当された藤田さんが、この一脚の生まれた背景を語り合いました。
その時の様子を3回にわけてお届けします。
第3回 北海道で作るということ。
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関根
大雪木工さんは、材料である北海道の木、ひいては森に対してどんな考えや思いを持っていらっしゃいますか?
藤田
毎年、当社は東川町で植林活動に参加しています。
木に携わるものとして、森は大切に育てないといけません。
私たちの世代で森を終わらせてしまうわけにはいかないですから。
森の恵みを余すことなく、すべて上手に使えたらという思いはありますね。
関根
家具を作ることは、自然を相手にものづくりをするということですよね。
木を使う時点で、自然破壊のイメージを持っている人が世の中にはまだ多くて…。
木で家を建てたり、家具を作ったりすると「木がなくなる!」と思われがち。
でも、実際はそんなことはなくて、森は人の手入れが必要なんです。
それによって手に入った木で、ものを作る。
太古の時代から人は木を使ってきたように、理にかなったものづくりだと思っています。
北海道の豊かな自然は、変わらずにずっと残り続けてほしいですよね。
私たちは仕事を通して、そこに少しでも役に立ちたい。つまり、木の魅力を伝えるものを作りたいんです。
そういう意味では、表面的なデザインや形以上に、森や木々のことを考えて作ることは、
私たちにとって非常に重要です。
藤田
まさにそうですね。こういう考えから生まれた家具って、どんな方に使ってもらいたいですか?
関根
最初に思い浮かぶのは、弊社の家を気に入ってくださったお客様。
理想は、家を建てる前から家具のことを考えてもらうことです。
30代とか、若い世代の方にとてもあう家具なんじゃないかなぁ。
藤田
morinosはスタンダードでありながらも特徴があるし、私はすごく好きな椅子です。
ライフスタイルを大事にする方が使われるんじゃないかな、とイメージできますね。
これまでだと、まず建物があって、その後に家具、という順番。
でも、それを覆して、先に家具があって、その家具に合わせた建物を建てる、
ということだって三五工務店さんなら総合的にやれるんだろうな、と楽しみにしています。
関根
家具って、家の雰囲気に如実に影響しますよね。
たとえ良い家を建てても、家具に特にこだわりを持たず、
海外で大量に安く作られたようなものをポンと置いちゃうと、やっぱり良くは見えない。
こだわった家を建てたお客様には、こだわった家具をどうぞ使ってください、という気持ちです。
藤田
そのこだわりのひとつにMade in Hokkaidoという点があげられますよね。
今の時代だと、ちゃんと発信することによって、作り手の顔を見てもらえる機会が増えてきました。
誰が作っているのかがわかれば、安心して長く使ってもらえるんじゃないでしょうか。
壊れたとしても、すぐに修理を頼めたりしますし。
地域と地域が結びついて、北海道全体でその輪が広がっていってくれると嬉しいですね。
関根
旭川という日本有数の家具産地で、自分たちの考えた家具を作っていただけるのはとてもありがたいことです。
Made in Hokkaidoって、本州の人たちに向けて、というよりも、
北海道内で北海道を好きな人たちにとって価値あるものなんじゃないでしょうか。
「あ、これ札幌の工務店と旭川の家具メーカーが一緒に作っているんだ」と、
北海道内のつながりから生まれたことに少しでも「いいな」「すごいな」と思ってもらえたら素敵ですよね。
別に椅子を買うところまでいかなくても、Made in Hokkaidoの価値が高まり、
北海道の中でそれを認める輪ができて、ものづくりが活性化していったら嬉しい。
そういうことが可能な地域だと思うんです。
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藤田
ええ、それを実現したいですよね。
関根
じゃあ、そろそろ締めましょうか。最後にいっしょにモノづくりをした感想を伺えればと。
藤田
私は今回製造側で、パタンナー的な立ち位置でした。
ブラッシュアップを重ねていくたびに、どんどんものが良くなっていく様は楽しかったですね。
家具のなかでも必要性の高いダイニングから始まったので、今後のアイテムの広がりが楽しみです。
一般的なリビング、ベッドルーム、ユーティリティの家具だけじゃなく、
私たちのような家具屋だとイメージしないような、例えば車庫とかウッドデッキとかまで広がると面白い。
「え、三五工務店ってこんなことできるんだ!」というのが形にできると楽しいなって思いましたね。
関根
ウッドデッキとかバルコニーとか、“住宅より”の考え方で作る家具や製品は、面白いかもしれないですね。
現状は、The家具をやっているけど、もう少し柔軟な考えでラインナップを広げていってもいいのかも。
藤田
コロナ禍もあって、屋外のことが好きな人も増えていますからからね。
では、三五工務店さんとしては今回のプロジェクト、いかがでしたか?
関根
大雪木工さんにとって、製造工程では大変なこともあったと思うんです。
でも、お互いに新しいことのチャレンジを共にできたっていうのが面白かったですね。
morinosは経験と記憶に残る一脚になったなぁと思っています。
家具って、使ってもらって初めて世の中の役に立つもの。
今後どこまで広げていけるのか、というところを私たちは頑張っていきたいですね。
藤田
本当にスタートラインに立ったような感じですよね。
あ、そうだ、最後に言い残したことといえば…。御社の社長はすっごい熱い人だなと感じました。
あの熱さとエネルギーを、プロジェクトを通して私たちも分けていただきたい、って思っていました(笑)。
関根
なかなかいないですよね。ああいうワンピースのルフィみたいな人は…(笑)。
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