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暮らしのレポート

暮らしのサイズに合わせた、共働き夫婦の日々にしっくりと馴染む22坪の平屋

近隣に大きな公園のある江別市の閑静な住宅街に立つ住まい。
ガルバリウム鋼板と道南スギが調和する片流れ屋根の平屋で、Eさんご一家は暮らしています。

マンションを購入しようか、中古リノベにしようか、はたまた新築か。
将来を見据えて持ち家を検討していた30代のEさんご夫妻にはたくさんの選択肢がありました。
九州出身の奥さんは「北海道の木を使った家」に憧れがあり、Eさんは「戸建てで生まれ育ったこともあり、一軒家志向でした」とお互いの理想もそれぞれ。

2人で情報収集を重ねた中で目に留まったのが三五工務店です。
「道産の自然素材を使った家の雰囲気が素敵でした」と奥さん。
Eさんも「ログハウスのようにすべてが木ではなく、適材適所に木を配していて、デザイン性があり、好印象を抱きました」と気に入り、夫婦の意見も一致。
三五工務店での家づくりを決めました。

暮らしのサイズに寄り添う肌馴染みの良さ

旧居はマンションだったというEさん。
手狭さを感じながらも、ワンフロアで過ごす手軽さや、移動距離の短さなどプラスの面もあったことから、「広さを持て余してしまうよりも、自分たちの暮らしのサイズに合わせた家で暮らしたい」という夫婦共通の認識を持っていました。
そこで三五工務店の担当者が提案したのが、22坪のコンパクトな平屋です。

LDKから各エリアへとアクセスできる機能性や、寝室からファミリークローゼット、ユーティリティ、浴室と直線に配置した家事動線で暮らしの動作を簡潔に。
マンション時代の過ごしやすさを引き継ぎながらも、LDKと寝室を含む2部屋で構成されたシンプルな空間には、内と外を繋ぎ視線の距離を伸ばすリビングの縁側、縦の広がりで開放感をもたらす勾配天井やロフトなど、コンパクトな空間に視覚的な効果と機能性を内包し、22坪という数字を越えた空間になっています。

中でも建物の東側に設けたコの字型に囲まれた縁側は、視線の抜けや庭との往来だけではなく、「九州出身の私にとって、縁側は馴染みのある空間。
庭を眺めたり、寝転がったり、お茶を飲んだりする居場所にしたいと思いました」と奥さんが言うように、Eさんご一家の暮らしに、プラスαの豊かさを添える大切な場所です。

上下に分けたリビングの開口や、サイズ違いで横並びする個室の窓など、周囲の視線の考慮や採光、美観をコントロールし、「外部との距離が開きすぎず、閉じすぎない」を意識した窓計画で、一日を通して室内にちょうどいい光の取り込みを実現。

土地環境を読み解き、細やかなディテールを整え、自然と溶け合う色の選択や光のチューニングによる創意工夫で、家族が程よい距離の中で自然体にくつろげる「肌馴染みの良い空間」が完成しました。

DIY暮らしを楽しむ余白をつくる

EさんはDIYが好きで、その腕前はかなりのもの。
キッチンのコンロまわりの壁に設えたレンガタイルは、Eさんが自ら購入し、張り合わせています。
最初から自身の手でやってみたいという希望があり、打ち合わせの初期段階から相談していたそうです。
レンガの風合いの良さやコンロ周りに使用する材料として適していること、そしてせっかく江別に住まわれるという点で、三五工務店の設計担当者も同意しました。

「ただ、お引き渡し後の張り付けとなるので通常の工程とは順序が逆になるのと、職人さんではなく、お施主様が作業されることは、三五工務店としても珍しいことだったので、その2点を十分に考慮する必要がありました。
張り付け後の仕上がりを考え、レンジフードの裏側にタイルが刺さり込むように壁を引っ込めたり、張り始めやすいよう、コンロのサイドにはスターターとなるアングルを取り付けるなど、現場担当者と相談しながら、一緒に最適な納まりを検討しました。
想像以上にきれいに張っていただいたので、やってよかったと思いました」と設計の寺西さん。

そしてキッチンの背面は仕上げなしの状態で引き渡され、造作の棚も自ら設置。
そうしたひと手間をかける楽しさと喜びを尊重し、新居にはあえて余白を残しています。
「レンガや棚に加えて、新居のために表札も新たにつくりました。
少しずつ手をかける作業は、緊張もありますが、やはり楽しいですよね」と笑顔で話すEさん。

仕事柄、木材に興味があるというEさんは、新築の工事中に出た端材も含めて、縁側の下に今後のDIYに向けた資材をたくさん準備しています。
「私はリモートワークが多いので、リビングの一角にワークスペースを設けたのですが、そこの壁に合板下地を入れていただき、新たに棚を新設する予定です」とEさん。

トマトやピーマン、ネギやバジル、ローズマリーなど、種類豊富な顔揃えの家庭菜園は、近日中に江別レンガで仕切りをつくる予定で、まだまだやることは盛り沢山です。
「楽しかった家づくりが、今もずっと続いている感じがします」。

多忙な日々を受け止める住まい

新居に移り住み、4ヵ月。仕事に、子育てに、忙しい日々を送るEさんご夫妻ですが、食事の支度も、掃除も、洗濯も、移動距離が短く快適で、ストレスなく過ごすことができています。

近すぎず、遠すぎず。3人家族の距離感はいつも心地よく、ちょうど良い。
キッチンの江別レンガや無垢床、洗面台のタイルやロフトの手すりに採用したアイアンなど、異なる素材がよく馴染み、暮らしやすさを五感で実感する住まいです。

「日中はもちろんですが、夜の雰囲気もとても気に入っています。
設計担当者が照明の配置をコントロールしてくれたおかげで、明るすぎず、柔らかな光がより一層居心地の良い家にしてくれています」とEさんは話します。

「私たちはこの部屋が欲しい、こういう機能が欲しい、という具体的な希望は出していないんです。
自分たちの暮らしのサイズ感を伝え、あとは設計担当者の提案に委ねる形で進めた家づくりでしたが、結果として自分たちの想像以上の暮らしやすさが実現できました」と笑顔で話すEさんご夫妻。

「子どもが生まれたことで、劇的に変化した私たちの暮らしですが、おかげさまで忙しくも穏やかに過ごすことができています」と、暮らしの本質を見つめてつくられた新居が、家族の変化も成長も、おおらかに受け止めてくれています。

Report by Replan